CLOSE

インタビュー

  1. HOME
  2. インタビュー
  3. Previser社 Eugene Shimelfarb氏

『OHIS』と「歯周病の新分類」は、使う場所も目的も違います

Previser社 Eugene Shimelfarb氏

  1. Previser
  2. Previser社

    Eugene Shimelfarb氏

2018年にアメリカ歯周病学会が発表した「歯周病の新分類」。
まだ情報が少ないですが、『OHIS』を使用している医院はどのように位置づければよいのでしょうか。
そこで、OHISを開発した米国PreViser社のCEO、Eugene Shimelfarb氏に質問してみました。
CEOが語る米国でのOHIS使用法とあわせてお読みください。

2018 年に、アメリカ歯周病学会が「歯周病の新分類」を発表しました。米国では、この新分類とOHISはどのように位置づけられていますか?

歯周病の新分類は、米国ではアカデミーや学会を中心に使用されています。なぜアカデミーなどに限定されているかというと、まだ研究段階だからではないでしょうか。一方、OHIS は歯科医院の現場で多く使用されています。

問題は新分類とOHIS、それぞれのスキーム(※)がどのような場面で機能するかです。歯周病は、糖尿病のような社会的問題とは対照的に、診断後に特定の治療法を指示しなければなリません。OHISのテクノロジーは、これに非常によく対応しています。

大切なのは、スキームが歯科医師や患者にとって何に役立つのかということです。患者が何を望んでいるのか、あるいは歯科に何を求めているのか。これらを理解できなければOHISのすべてのシステムは台無しになリます。

OHIS は、歯周病を治療するだけでなく、発症を予防できるように設計されています。口腔内の現在の状態を考慮しながら、患者の予防ケアを促進する重要な要素として、主に将来のリスクに注目します。そこでリスク(病気が発症する前に特定するため) と病状(患者が歯周病である場合、病気の進行を伝えるため)、2つの単純なスコアを使用しています。

これによリ、患者にとって理解しやすいものになっているのです。歯周病の新分類は患者にとって複雑であるため、歯科の臨床現場ではOHISを使用することをおすすめします。

新分類を使って明確に歯周病を診断する先生も、もちろんいらっしゃいます。ですが、患者は専門的な診断名や複雑なステージ、グレードを伝えられても理解できません。大切なのは、患者視点で歯周病を伝えること。それを実現するのがOHISです。

※スキーム(scheme):具体的な行動を想定し、すぐに実行できる段階まで固められた計画案

Eugene CEOによる『OHIS』と「歯周病の新分類」の比較

米国では、OHISをどのように使用していますか?

臨床現場で歯科医師と歯科衛生士のどちらがOHISを行なうのかは決まっていません。誰が行なっても、まったく同じ結果になるはずだからです。ですが、ほとんどの場合、歯科医師ではなく歯科衛生士が行なっています。その理由は、米国の歯科医院の多くが衛生部門を通じて新患を受け入れているから。OHISは誰でも簡単に使用できますが、通常、歯周病治療の一環として評価を行なうのは歯科衛生士です。

臨床現場ではコンピューターの画面上でOHIS を使用し、患者と歯科衛生士が相互にコミュニケーションをとリます。そして歯周病のリスクに関するスコアが得られると、患者は自分のスコアについて質問し、自分がどうだったかを知る機会が与えられます。

これはちょっとしたゲーミフィケーション、つまリスコアを少しゲーム化したようなものですね。一般的にスコアが低いほど良く、スコアが高いほど悪いということを患者は見てわかリます。すると、自分がどの方向に進んでいるのかを考えて、自分でいくつかの目標を設定できるのです。

OHISは予防行動を促すためのその患者独自のプロフィールであリ、私たちにとって臨床現場で患者とコミュニケーションをとるのに役立ちます。アメリカではこれを「動機づけ面接」や「目標設定」と呼んでいますが、未来に向けたガイダンスであリ、患者にとって非常に有益です。これからも、日本の歯科の発展のためにOHISをサポートしていきたいと思っています。